[その脚は、あまり見せたことのない、獣の形をしていて。
耳とは違うかたい毛の感触が、少し彼の手に刺さるかもしれない。
強張っては逆に危険なので、しっかりと両足で首を跨ぎ、
両手が自由になるように固定する。]
っしょ、っと。
大丈夫ですよ、あげてくださ――
って!あ!ちが、違いますよ鳥さん!
卵に危害は加えませんからー!
[そのままダンテが上がるのを待ち、近づけば、ランプに手を伸ばす。
その途中で、卵に危険が迫ったと勘違いしたのか、
やはり親鳥達が自分の耳を時折啄みに来るだろう。
大きく揺れはしないものの、ランプを持たない手が無意識で、
それを振り払おうとするので、無事に、とれるかは。
――職人の腕次第である。*]