忘れて、欲しかった。俺の事。
だって、少しでも、哀しい思いさせるの、やだ。
俺は、シュテンがなんにもいわないで、去っていったとき。
かなし、かった。さみし、かった。
[そんなおもい、させたくない。
だからこその願いだった、のに。
それなのに、忘れないって言葉が。最後の心の氷を溶かした。
人を信じるのは怖い。裏切られるくらいなら。
最初から信じなければよいと思ってた。
笑顔で、優しく声をかけて、気を配って。
そうすれば必要とされる、捨てられない。そう思ってた。
でも――そんな打算無しで。
君たちの為に何かがしたいって思えた。
仲間っていいなって、思えたのに。
信じたいって思ったそれなのに、神様って残酷だ。]