[ 囁くように彼の名を呼べば、返ってきたのは確かな答え。>>377] めのまえ、に?[ 他に誰がいるのだろうなんて、頭の片隅で考える。誰がいるのかなんて、わかっているのに。求めていた温もり。それが差し出されていることが、信じられずに。] いい……の? 私で。 だって私は―――[ 『何もできない』『貴方の嫌いなキチェス』浮かんだ言葉を口にすることが、こんなにも怖い。それでも、と開いた唇が紡いだのは。]