[時に難解で、常に詩的な言い回しは、研究一辺倒の頭には理解しきれないことがある。ダンテにしろ、ヘクターにしろ、ネーロにしろ。今の子って頭いいのね、なんて。年寄りじみたことを考えるけれど。街へ行ったのか、と問われれば、頷いた。] あら、意外と街にも顔出してるのよ? 案外、有り難がられるには、こう。 ちんちくりんだから、みんな気付かないんじゃないかしら。[それだけ答えて、肩を竦める。]