それじゃあ、私が軟派者みたいな言い草じゃないか。
私は美しいものが好きなだけで、不埒者ではない。
[胡散臭い自己主張。>>432
けれども、主題は誰が気障であるか、よりも、
目の前の女性の動揺へと、すり替わる。
誰が見ても、星の煌きに眩んだそれではない。]
好きじゃない…? 私にはそうは見えないが。
―――君がそんな顔をする時は、いつも……、
[なるべく星を詰めた帽子を腰裏に押しやりつつ、
聞こえてきた親友の声に、少し言葉を淀ませた。>>434]
…・・・恐がっているようだ。
[それは大地に近しい獣の親友への評か、
狼狽する蒼白い彼女への評か。
まるで似た反応を取る両者を見比べ、
音に替えない声で、そっと、如何して。と呟いた。*]