《愛が死ななければ》愛は死んだ。愛は死んだままだ。他でもない僕が、愛を殺したのだ。もう二度と、息を吹き返さぬように。もう二度と、僕に笑いかけぬように。手に入れれば、失う事が怖くなる。だから生まれたての柔らかな愛に爪を立て、あたたかなその肉を無残に引き裂いた。お願いだから、蘇らないで。お願いだから、僕なんかにつかまらないで。「なのにどうして、君はまだ僕に笑うんだ」