《5455》
「1万回やってダメならもうダメなんですよ」
白髪白ひげのデブが言った「考えてください、1日1回休まず1万回行った時のこと。それがどれだけ時間がかかることかを」
デブは電卓ぶっ叩いた「出ましたよ。27年です。3歳からみそじまで、毎日やって芽が出ないなら本当に才能がないんですよ。ドリームカムトゥルーの前にリアルカムバックしてくださいよって話ですよホント」
「ANZAI先生……っ!」「デブのDを前につけなさい。今は君の怠惰を裁きます」
デブは続けた「君は1万回の半分を過ぎて、まだ気づかないんですか? 才能、無いかもしれませんよ?」
「それでも……! したいんです……!」
「その言葉が聞きたかった……!」
「ANZAI先生……!」
「デブのBを前につけなさい……! 今日は祝杯をあげましょう」
これはデブと弟子の5455回目のやり取りである
何を成すかは未だ不明だった。