《ひとひとりがたり》配られてこないプリントを待ちながら未練と悲恋を「ぴえん。」で済ませたあの子の二の腕はとても強かったなうっかりしているうちふたりはなればなれ壁の花が剥がれるようにイベントはいつでも門限のリミッター付き悲恋とはいっても悪びれないきみが好きそんな歌を、ちょっと、誰かの真似して口ずさんだ月がさえざえと香り立たせた帰り道春の重力はちっとも甘くない感性の誤差をずらすようにタテイトとヨコイトに舌をかさねるわたしたちはこんなにも自由であてもないほど孤独だ