月狼国

299 [誰歓]詩人狼村11th[ガチ]


見習 イチコ

《ひとひとりがたり》

配られてこないプリントを待ちながら
未練と悲恋を「ぴえん。」で済ませた
あの子の二の腕はとても強かったな
うっかりしているうち
ふたりはなればなれ
壁の花が剥がれるように

イベントはいつでも門限のリミッター付き
悲恋とはいっても悪びれないきみが好き
そんな歌を、ちょっと、誰かの真似して口ずさんだ
月がさえざえと香り立たせた帰り道
春の重力はちっとも甘くない

感性の誤差をずらすように
タテイトとヨコイトに舌をかさねる
わたしたちはこんなにも自由で
あてもないほど孤独だ

(581) 2021/03/02(Tue) 23:20:13

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