《summer day》
夏が近づくと運転士の袖は短くなっていく
けれど白い手袋は変わらず眩しくて
銀いろの腕時計の文字盤にひかりがさしこんでいた
あのとてもゆったりとした時間の進み
毎日が水曜日のようだった
髪が濡れたまま逃げ出してきた
太陽に乾かされるために行く
海はまだ遠いけれどきっと地続きにあるという信頼がわたしの心の支えだった
道は続いていた
目には見えなくても続いていた
運転士は道のないところには進まずに
永遠に正しい道を選び続けた
時速20キロの振動が心地よかった
ただ髪を乾かしたかったはずなのに
夏がすべてを白く染め上げてしまった