《木馬》
姫にまたがられぼくは木馬のよう
なんの障害も飛越できませんでした
遠くなる季節が冗談みたく施錠されてゆく
自重がはかれないまま
いま、天使が通りすぎましたね
深夜の東名高速で飛び立ったひとのことをおもう
牧場からはじけとんだ欲情のかたちが
白黒に散る
横断歩道ほどには見晴るかせない未来を
歩け、端から端まで走れ、トロット、トロット
3人と1人どっちを救うような
音楽にそんな質問をしちゃいけない
誰だって亡霊の顔してきょうに名札をかける
どれだけとろいと罵倒されても
ドグラ・マグラ、木馬のまたぐらに
張り付いてやり過ごしたい今がある