《みぞおち》知らない町をあるく夢を見た道の片側は木立ちを抱えた暗い塀反対側はぽこぽこと音を立てて流れる水路ほんのすこしななめ後ろをあるくあなたの姿は見えないけれど、ちらりちらりと白い足の先だけが規則正しく視界に現れては消えるを繰り返しているときどき、自動車がゆっくりと通り過ぎるその度に律儀にあなたの足が止まる自動車が行ってしまうと、またぽこぽこと水路の流れる音次第にあなたの足が速くなっていくああ、なんだか、このあたりが痛いんです夢のなかでは手がないから押さえられない