《金星符号U》
どんなものにも
<貴方の隣で 私は死にたい>と言えば
熱烈純愛の少女漫画のヒキになるぞと試してみれば
『静けさや 岩に染み入る セミの声。
――貴方の隣で 私は死にたい』
いやこれセミフェチのヤベーおっさんじゃない?
確かに隣に誰か居ればセミの鳴く頃に、セミの声に消えるように言う愛の詩に変わったよ。でもセミが大量に鳴いてる場所で死にたいわぁって言ってるように聞こえるよ。
『やせ蛙……、負けるな一茶 これにあり。
――お前の隣で 俺は死にたい』
いや最初の話の続編じゃん
槍を杖にしつつ先に息絶えた強敵の隣まで歩いていこうっていう、少年漫画のアオリに応えたヒキだよ。純愛じゃなくて殺愛だよ。
とりとめのない会話を脳にて繰り広げつつ
私は1人、冷めた茶漬けを喰らうのみ
あー、それにつけても金の欲しさよ。