《蛹》夏になると 母さんは蛹になるひかりの粒みたいでつまんで食べたくなるねなんにも動かずにどうしようもないぼくを産んでしまったからだね夏になると 母さんを虫籠に入れて涼しい場所へ行く白蝶はみちしるべになる母さんは硬くなったまま意味のない言葉みたいにそこにある産まれるなら虫籠にれずに虫は産まれるいな前にかった産ま夏になると夏の終わりぎわがいつも怖くて全部 夕立になってしまえばいいと心底で憎んでいた