月狼国

273 アリス・イン・なんとかンダーランド


少年 アリス

歩く。歩く。

ぼくに追い付くためだった。
追いつけないぼくを、誤魔化すためだった。

ぼくは、もう背中すら見えないほど遠くへ行ってしまって、
ぼくを理解することも、
ぼくを制御することも、
もう不可能になってしまった。

ぼくは、いるべきじゃない。

だけど、"ぼく"なら。

まだ背中の見える"ぼく"なら、
いてもいいかもしれないから。

ぼくは、アリスになる。

(1980) 2019/08/30(Fri) 23:33:23

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