骨と骨は大方何かしらによって繋がれているが、空きだらけだ。隙間がないと身体を動かせない。ひとかたまりならそれは最早骨格では無い。あきの構造から考えようか。四季の中で唯一夏だけに、終わりがくる。只秋は始まるとは呼ばれず、静かに来るものである。秋とは夏の残骸だ。手持ち花火の火薬の匂いが何処からともなく鼻腔を突いた。道路を走るタイヤの下で蝉の死骸が潰れる音を聞いた。夏祭りの中止を知らせる張り紙の下側の画鋲だけが外れている。紙が破れている。たなびいている。