[俺が見つけたのは、人骨だった。大きさ、衣服からするに成人男性。
……人間が白骨化するまでにどれくらいかかるんだったか。仕事柄人の死体は慣れちゃいるが、まさかここまで来てそれに出会うとは。ぼろきれと化した衣服。胸元が膨らんでいる。探ると、内側から財布が出てきた。金は入っていないようだが、中から一枚のカードが出てくる。免許証……?
それに映し出された生前の姿は、俺が探しているはずの代議員議員だった。]
……どういうことだ。何故こいつがここで死んでいる?
[調べた限り、議員は生きている。しかしこのカードは。議員は偽物?それともこの白骨化遺体が別人なのか。
いずれにしても、あの議員はやはり裏に何かある。それだけは間違いない。
このまま進めてもグリード大会本戦で勝つのは厳しい。なら代わりに何か手土産でも、とは思っていたが。これは大きな収穫だ。俺は他にもないか周辺を探りつつ、ある意味お宝と言えるその免許証を持って、何食わぬ顔で本館へと戻った。]