天からの声（村建て人）

　全てを終えて血に塗れた少女は、死体の山で息を吐く。
　なんて皮肉なことだろう。
　星見草、千代見草。死に捧げる白い花の名。
　今の私は、まるでそれだ。

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天からの声（村建て人）

星に願いを

　ある一人の男の話です。
　男は絶望の底に居ました。妻を亡くし息子を亡くし、天涯孤独の身のなってしまったからです。
　毎晩、二人を想ってただただ星空を仰いで過ごしていたとある日、何の因果か、気紛れな魔女様がその元へと姿を現わされました。

「毎晩毎晩、何を熱心に眺めておるのだ」
「魔女様、私は死んでしまった二人がどこかの星になってやいないかと、こうして毎晩その姿を探しているのです。」
「哀れよのう。妾が星空から呼び戻してやってもよいが、二人一遍というのは流石に贅沢であろう。
　どちらか一人を選ぶことが出来たならば、そなたに力を貸してやろうぞ。」

　男は悩み悩んで、震える声でこう答えました。

「では、ではせめて……息子だけでも、よろしくお願い致します…！」
「よかろう。」

　すいと星の魔女様が指を一振りさえすれば、星は力を貸してくれます。
　男の目の前で星の光が集まり始めました。少しずつ少しずつ大きくなっていくそれは、徐々に人を形づくったと思うと、
　次の瞬間、ぱっと青年の姿へと変わってしまいます。
　その青年を見た瞬間、男の目から涙が溢れました。
　それは間違いなく、命を落としてしまった、最愛の息子なのでした。

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天からの声（村建て人）

【男の息子と妻は死亡した】
【男は、死んだ息子と再び出会えた】

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天からの声（村建て人）

★注意事項

�@「時間を進める」を選択しておくようお願いします。
�A見学者との秘話でチェス盤について相談はしないよう注意してください。
�B吊りは、キクヒメに委任をお願いします。←new！

チェス盤の締め切りは本日の更新時刻までとします。
その時間までに正当の青が出ていたら、正解として扱います。

本日のハッシュタグはこちら↓
#第二のチェス盤

何かあれば遠慮なく秘話などでGMまで相談を。
なお、吊り要員兼GMキャラとして「星見千代」が共鳴窓にもいますので、そちらでも反応は可能です。

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天からの声（村建て人）

解答�@：血を憎む

　男は、憎んでいた。
　彼は、自身を過大に見積もる人間で、それであるがゆえに、自分よりも評価される人間がいるのが気にくわなかった。
　ましてや、それが自分の弟ともなれば。

　邪魔だ。彼奴が邪魔だ。彼奴さえいなければ俺はもっとちゃんと評価されるのに。
　親父の遺産は莫大だ。あんな奴に分けたくない。全部全部俺のものだ！

　男の憎しみは、もはや呪いともいうべきものだった。
　それが奇跡を起こしたのか。
　あの日は訪れた。

「──弟が、津波の被害に？」

　それは、何千人も犠牲になった大災害だった。
　弟と母も、その被害に遭ったのではと、男の父は狼狽したようにいっていた。
　確かにその二人は、被災地まで旅行にいっていた。連絡も、つかない。
　祈りが届いた？　あいつは、死んだ？
　あいつは、死んだはずだ！

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天からの声（村建て人）

　暫くして、警察から遺体の身元確認の連絡が来た。
　……母親と弟が、別々の場所で見つかったという。
　ずっと安置はしておけない。しかし、二人の遺体の発見地点は相当な距離があった。
　男はこれ幸いと、悲し気な顔で父に吹き込む。

「弟は、俺が確認する。父さんは、母さんを見ておいてあげてくれ」
「そうか……分かった」

　意気揚々と、確認しに行く。その遺骸は、腐乱と津波に押し流された際の傷跡で酷い有様だった。
　だが、分かった。──別人だ。

「この遺体の上着から弟さんの保険証などが入った財布と、名前が刻まれたペンダントがありまして」

　警察だか役員だかが淡々と説明してくる。
　どうやら、歯型も指紋もこのありさまで持ち物でしか確認が出来ないのか。

「……間違いなく、弟です。酷い……こんな有様で。父さんに見せられるわけがない……！」

　男は浮かび上がる笑みを抑えるために、大げさに泣き続けた。
　手を汚す事無く邪魔者が消せたのだと、心の中では笑い続けながら。

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天からの声（村建て人）

解答�A：彼は待っていた

　四角く切り取られた夜空からは、無数の星がゆっくりと動いているのが見えていた。
　かつて息子たちに教えた天体観測。兄はすぐに飽きてしまったが、弟は大きくなっても時折望遠鏡を覗いていたのだ。
　……それだけで、吐き気が込み上げた。
　あの酷い記憶がよみがえってしまう。
　妻の遺体は酷い有様だった。弟の遺体を見に行った兄も、見ていいものではない、と言っていた。
　あれから、まるで体の半身が欠けてしまったように気力が保てなくなった。
　星は、今も輝いている。
　あの日に戻れたら。

　もう一度、あの子に、会いたい。

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天からの声（村建て人）

解答�B：星に、願いを

　星を追う。
　北に輝く、一番星。父が最初に教えてくれた星だ。
　何年掛かっただろう。最初に全く知らぬ国の病院で目覚めた時は、何もわからなかった。
　急いで兄に電話をして、余計に混乱した。

　兄は、話も聞かずに私を「弟を騙る気狂い」と決め付けて、取り合ってくれなかった。
　暫くすると、電話番号を変えたのか、電話も繋がらなくなってしまった。
　あの波に押し流された時に、財布ごと上着を誰かに貸してしまっていたから、金もない。
　訳も分からぬまま、言葉も通じない異国で、私は生きていくことに必死になった。
　その内に段々と分かってきた。兄は恐らく、私を死んだことにしたいのだと。兄がそうである以上、私が家に戻る術はないように思われた。
　何とか母国へ戻った所で随分な年月が過ぎている。私の身元を示す書類は何一つ残っていないだろう。死人になってしまったのだから。

　だが。時代は過ぎて、変わっていく。
　DNA鑑定という技術が生まれたことを、通りすがりの路地のテレビで知った。
　ああ、これなら──今からでも、私が私だと、証明出来る！

　星は、道を示してくれる。
　帰ろう。帰るのだ。父の下へ。母は亡くなってしまったけれど、早く、早く！

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天からの声（村建て人）

「──ああ」

　そして、私は辿り着いた。
　蔦に覆われた我が家の内で、望遠鏡を覗き込むように座りながら──事切れている、父のもとに。

「父さん、……父さん、待たせてすみません。……貴方の子の飛蓮が、只今、帰りましたよ」

　温もりが消えていく父の手を握り。
　嗚咽と共に、そう言った。

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天からの声（村建て人）

お疲れさまでした。
見事、第二のチェス盤もぎりぎりにはなりましたが解かれましたね。
最後のチェス盤のご用意は出来ておりますが、本日はもう夜遅く。
明日朝起きたらしれりとコミットを行うかもしれませんが、今はただお休みくださいませ。

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天からの声（村建て人）

>>418
「本日の更新時刻」とは、1/23(水)の翌朝7時の事を指しています。

ギリギリ云々は魔女側の就寝時間の関係上、新規赤が出せるのが日付変更時刻前後辺りという辺りを示しています。

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