108 【飛び入り歓迎】赤狼署の新年会
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怪盗 ブラック
「さすがの手際ですね。>>53」
[佐伯に目をやっているとき、近くで聞こえた声。柊である]
さあ、なんのことだか。
（さすが柊。気づいたか）
[ブラックが事をおこすやいなや、すぐに声をかけてきた柊はブラック逮捕の陣頭指揮を執る男だ。
今年、彼が管理官となってからずいぶんやりにくくなった。捕らえらたことが一度としてなかったブラックが、彼が管理官になって２度、手錠をかけられるところまで追い込まれている。
そこから逃げ出せたのは幸運もあったが。もし３度目があれば、逃げ出すのは至難だろう。ブラックは、予告を出して一度取り逃した獲物を再度狙うことはない。それは自分を追い詰めた相手への賞賛でもある
敵の悪戯を賞賛するぐらいの余裕を持つ男。怜悧な印象をもつ彼が新年会でもうひとつの顔を見せるのをブラックは密かに楽しみにしている]
新人刑事 ロバート
[加納は、深く事情を聴いてこない上、この上さらに助言をしてくれるらしい。>>68
頼もしい味方ができた。
仏頂面の多いロバートの顔がぱあっと明るくなる。
たぶん檜山ぐらいしか見たことがない。]
ありがとうございます！
加納先輩、これ。
なんかあったらまたお願いします。
[ポケットの中から取り出したのは、張り込み中にコンビニで買ったよれよれのレシートだった。
そこに自分のメアドを書き付けると、彼女の手の上にぽんと置いた。
なおレシートは*葛餅*のレシートである。
署内にファンクラブすらある加納に、この態度。
ロバートが同期女子になんと言われているか、伺い知れるというものだ。]
怪盗 ブラック
―― 回想 ３年前の新年会 ――
カオ○シが次々と署員たちを喰らっていく。本物かと見まごうような怪しい動きのカ○ナシだった。それがぶくぶくと巨大化していく様子は、不気味過ぎた。
そして――
「月にかわっておしおきよ！」
決め台詞に黄色いカツラをかぶった署員があらわれ、場は大盛り上がりとなる。ミュージカルにでも出て来そうなセーラームーンコスプレを着込んだ署員たちがさっそうと出て来たのだ。
だがどう見てもみんな男であった。
スタイルはパット等で調整してあったが、作り物めいたものはさすがにわかりやすい。
だが問題はそこではない。
その中に
とんでもない「美人」がいたのだ。
刑事課 檜山
ー宿直室ー
[普通は給湯室や調理場を借りるのだろうが、赤狼署は人狼署と同じく、宿直室にも簡易キッチンが備え付けられているので利用させていただく。
裏口から出て、近くのスーパーで白玉粉と砂糖、絹ごし豆腐と水煮の小豆缶を買い]
…あー。白玉団子、ちっちゃい子は喜んで作ったかも。
[と呟きつつ、白玉粉に豆腐を練り込み、小豆を温めて団子を投入。
檜山はそれなりに子供は可愛いと思うのだが、不慣れなのと腰が引け気味なのが透けるらしく、子供にあまり懐いていただけない。残念]
…そういえば、こしあんかつぶあんか聞かなかったけど。
大丈夫かな？
まあ…誰か食べてくれるだろう。うん。
[お鍋と器もろもろで刑事課と何度か往復]
怪盗 ブラック
きめポーズも完璧だった。
それが「柊」という男だと知ったのはその後だが。
去年は某怪盗三世のコスプレをしていたのだが
それはもう見事な
峰 不二子ちゃん
だった。
怪盗 ブラック
おそらく、彼しかいないと白羽の矢が立ったのではなかろうか。
今年、２回捕まってしまったのは彼の美少女戦士や不二子ちゃんを思い出したからというわけでは、決してない。ないはずだ。大丈夫、ちゃんとした頭脳戦だった。うん。
その柊。今年は何をやるんだろうか。みなの期待が高まっているはずだ。
刑事課 檜山
ーはじめてのおとりそうさ>>50ー
よろしくお願いしますね。
[見た目は外国人、中身は日本人。ある意味うってつけの逸材。彼はそんな印象だった。]
『…ッス』
[その日の私は男装していたので、男に対するような挨拶。言葉遣いは追って教えればいいのでとりあえず気にしない。配置場所に向かいながら、概要を説明する]
電車乗って1日回ります。時々休憩するし、トイレ行きたくなったら言ってください。あと、捕まえられなくて当たり前なので気にしないように。何回もやるもんなので。
『…どんなホシを捕まえるんスか？』
[新人くんが逃げ出さなきゃ良いなあ、と思いつつ]
…ええとね。痴漢？
『…なんで俺らなんスか？フツー、痴漢って…女、を…』
[私の曖昧な笑みに何かを察したのか、声が尻すぼんで行く]
…うん。男狙いのね。痴漢。
[まあ、想像の斜め上だったろうね]
刑事課 檜山
ー続・はじめてのおとりそうさー
[結論から言えば新人くん…ロバートは、大手柄をあげた。
触られてると思ったら20数えてから検挙、と教えたのをきちんと守った。
…気持ち悪いだろうに、素直に耐えたところを高く評価する。
ただ]
『…ほんと、すみません…』
あんまり謝られると私も恥ずかしいから、もういいよ。
黙ってたのも悪かったし。
[ある意味、暴露なのだろう。一応帰った時に明かすつもりではあったのだが…。
痴漢を検挙する5分前、混雑してきた中、電車の揺れで。
軽く接触した際に気付かれてしまったのだ。肘は痛い。
なぜ『私』が囮役となったのか。二重の意味で犯人を逃さないためだった。
以来、何度か危険度が低い現場に同行させている。
ロバートくんはそんな後輩だった]
ミニパト 加納
うむ。和菓子はいい。
洋菓子も嫌いではないのだが、その……。
何分、慣れておらぬのだ……。
[この署に赴任してからも、喫茶店などに行く機会はあった。
勧められるままにミルフィーユを頼んだのだが、
食べ方がわからずに孤軍奮闘したものである。
剣を持ってもハンドルを持っても敵無しの涼子だが、
苦手なものくらいはあるのだ。
珈琲を勧められる度に、
せっかく用意されたものを断る訳にはいかないと
苦さに泣きそうになりながら飲み干しているのはここだけの話。
どうにも、かふぇというものは相性が悪い。]
刑事課 檜山
ー刑事課ー
[往復しているとロバートくんが運ぶのを手伝ってくれた。
やっぱり良い子だ…、としみじみする。]
お汁粉作ったのですが、良かったらいかがですか？
[と、刑事課の面々に声をかけた。勿論、加納にもブラックにも、迷子の子にも声を掛ける。人数に行き渡る程度には作ってあるのでゆっくりどうぞ]
管理官 柊
― 昨年の新年会（真） ―
[コンニャクを切らない練習もした。
大立ち回りの最中に袴の裾を踏まないよう足捌きを身につけた。
加納と和菓子のおかげで剣術の型もだいぶ様になった。
それを覆されたのは本番３０分前の事だった。]
……役目の変更、ですか。
[立派なもみあげを作りこんでいる男を見る目が死んでいるのは
この際仕方がないと思う。
借り受けた日本刀（本物）を危うく抜きそうになるのを堪え
勝ってしまった理性を残念に思いつつ衣装を受け取った。]
管理官 柊
[日本刀の代わりに手にしたのは拳銃。
剣士役として数ヶ月かけて伸ばした髪はゆるふわカールになり
着物の代わりにぴったりとしたライダースーツに諸々を詰め込んで。
通勤でバイクに乗っているからと理由で抜擢されたとて
この格好だと動きにくいのだが…と思いながら舞台に乗り付けた姿は
峰不二子であった。>>76
大立ち回りにかこつけて、直前に押し付けてきた仲間()へ
ペイント銃をしこたま撃ち込んだのは言うまでもない。
果たしてどこまでが仕組まれていたのか。
代わりに剣士の座にピンチヒッターでおさまったのは
その前年に華麗な刀捌きを見せた御仁だった。*]
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