76 【完全RP】輪廻の果てに
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観測者 メアリー
[責任感の強い彼女が、発症したからといって
シュテンへ何もかもを任せて何処かへ行くことが。
どれほど、不自然なことか。考えれば、わかったはずだった。
残される顔ぶれのために、
セラが、今も基地の外で足掻き続けていることを。
進み続けていることを。 ――漸く、考えつくのは。]
[全ての扉を開けて、最後に礼拝堂へと着いて。
祭壇に祀られたサージャリムの顔を見上げた、刹那。
冷気を帯びた床へへたりこんで諦めかけていた…その時。]
観測者 メアリー
[セラを捜した場所を指折り、数えながら
彼女が行きそうな場所も、同時に考えていて
漸く。…漸く、思い付く。]
セラ、あなた。 外へ、
[繋いでおいた通信機に話しかけても
もう、答えが返ってくることはなかった。
何かの弾みで切れてしまったのか。
それとも、彼女が既に事切れているのか。]
[分からない。
分からないまま、わたしは立ち上がり
来た道を駆け戻る。月面へ行くために。
今はすっかり墓標に成り果てた、船へ行くために。]
観測者 メアリー
永遠の眠りが救いだというのなら、神様
あなたは、なんて残酷な人なのかしら
泣いて、泣いて。それでも明日を信じて生きてきた。
…前を向いて、助かることだけを信じて生きてきて。
嗚呼、それなのにあなたは何時も、見守るだけ。
あなたの与えるものはいつも一つ。
誰にでも平等に訪れる眠り《死》だけ。
奪っていくのなら、与えてくれるものだっていい。
生きて、という強い願いすらあなたは聞き届けてはくれない。
嗚呼、やっぱりわたしはあなたのことが きらい
観測者 メアリー
[途中でオルテンシアと行き合った>>152かもしれない。
けれど、悠長に話をしている余裕も猶予も無くて。
立ち止まればもう走れなくなりそうだったから
唯、何も言わずにその場を走り抜けて、先へ。
豪奢な服装で無機質な明かりの下を駆けるのは二度目。
一度目の後には、もう服装を改めようと思ったくらいには
元々限りなく平均よりも低い体力を酷使する服装で。
わたしは廊下を走って、走って、走って。
…辿り着いた、月面と基地を隔てる扉の横に。
収納された宇宙を生きる為の服の数は、――二つ、足りない。
誰が、と考えるまでもなく>>153
少し前に聴こえた思念の音が顕著に物語っていた。
もう一つ、足りない所以は、未だ知ることがないけれど。]
植物学者 オルテンシア
[ そうして一筋、二筋と雫が流れ落ちるに任せて。
さっきまで彼が居たはずの場所。
そこに掛けられた白いシーツをただ見つめ。]
―――……私たち。
似た者同士…なのかもしれないわね。
[ 乱れたシーツにそっと指を這わせる。
温もりの欠片でも残されていないか、瞼を閉じて丹念に探りつつ。
心のどこかで思い出すのはここに向かう途中、セラから届いた幽かな思念。
それに対して自分がとった行動を思えば、彼と似ているようで。
責められないなと口の端、少しだけ笑みを滲ませて。]
植物学者 オルテンシア
――回想:セラから届いた声>>153に――
―――――……？
[ ふと、幽かな思念が伝わってきて。
必死に動かしていた足を止める。
風の音のように微かなそれは。
ヘクターが旅立った時のことを彷彿とさせ。]
………セ、ラ……？
[ たしかに彼女の声なのだと、ぽつりと名を呼ぶ。
彼女が穏やかだった理由も。
ハールーンの治療をシュテンに任せた理由も。
投薬の判断をシュテンに託した理由も。
考えなくても嫌でもわかってしまって。]
植物学者 オルテンシア
[ 今ここにいない彼女。
みんなを助けたいと、強く願っていた大事な仲間。
取り乱してしまっては、彼女を不安にさせてしまいそうで。
揺れる心とは裏腹に、穏やかな思念を虚空に託した*]
植物学者 オルテンシア
――現在:空のベッドの傍で――
[ 口の端に滲んだ笑みを雫が掠め、シーツへと模様を作る。
ぽたり、ぽたり。落ちた雫は悲しみのようにじわりと広がって。
小さな円が一つ一つ繋がり、大きくなっていく。
無人のベッドに取り縋り、俯して泣き崩れたくて。
けれどもまだそれはできないと、シーツを握りしめ顔を上げ。
やがてどこからともなく、彼の心が伝わってきたならば
その主人の姿を探すように、室内に視線を彷徨わせ。]
植物学者 オルテンシア
―――いいの、よ……。
今、呼んでくれたもの。
嘘をついたのも……許すわ。
だって、私も……嘘をついたもの。
これでお互い様、よ。
[ 音ではない声に、音を返す。
言葉を紡ぐ。
そうすることで、無人のベッドの上に彼の姿を思い描いて。]
植物学者 オルテンシア
……シュテンのこと。
怒ったりしないわよ……
そんな風に見える……？
大丈夫……メアリーにもしっかりと伝える。
貴方との約束だもの…必ず守るわ。
[ たとえ返事が戻ってきたとしても、それはこの耳には届かない。心に直接に届くもの。
傍目からは一方通行にも見える会話を、静かに繰り返し。
[けれども、最後に届いた心には―――
音を紡ぐことができず、心のみを送る*]
植物学者 オルテンシア
[ 心の全てを伝え終えれば
糸の切れた人形のように、ずるりとベッドに寄りかかり。]
―――♪―♪――
♪♪―――♪―……
[ 届くかもわからない歌を、語りかけるように口ずさんで。
メアリーの通信が入るまで>>180空を見つめていた*]
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