76 【完全RP】輪廻の果てに
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医学博士 セラ
[一心不乱に駆けて医務室に飛びこめば、何人かの――それでも今となってはこの基地のほとんどの――メンバーがいただろうか。]
―――…アン！
[息を切らして呼ぶ、幼いころの友達の名前。
いいえ。
今でも、友達。
人工呼吸器をはじめ様々な処置を皆が施してくれていて、感謝をしながら今は視線を彼女にひたと据えて]
……アン、起きてる？
[メアリーは、アンが作ってくれた薬を差し出してくれたかもしれない。投与するかは――患者の意思で決める。本来の医療現場なら効果のわからない薬、使うわけにはいかない。それでも、彼女が望むなら。
シュテンはアンの身体の現状を伝えてくれたかもしれない。
あとは……どうだろう。
自分の眼差しはアンだけに注がれている。
―――彼女は、呼びかけに応えてくれるだろうか？**]
観測者 メアリー
[残息奄々の状態でありながら>>186アンネはそれでも笑う。
たった一つ。わたしは彼女と約束を交わした。
彼女の選んだ茶葉で、彼女に淹れてもらったお茶でお茶会を。
その時は他の人たちも一緒に。ええ、勿論。
唯、その前に。
風前の灯のようなアンネの前>>187で
意図せずに涙を落としてしまったことが悔いだった。
笑顔の鎧を作って生きてきたわたしは、
鍍金が剥がれてしまえば感情を制御するのが滅法弱かった。
幾ら自分の心を騙そうと、欺こうと
心の裡の奥の奥までは誤魔化しきれなくて。
アンネの飴色の瞳に虚色が混ざりつつあるのを見れば
直視していられず、そっと視線を扉の方にでも向けただろう。
それでも口は止めずにいて、
ドロシーは意外と力持ちだなんて話していたっけ。]
観測者 メアリー
[息せき切って医務室へ飛び込んでくるセラの姿。>>192
幾日か前よりはマシな顔をしている気がした。
窶れてはいるものの、…少しは休めたのかしら。
アンネの名前を呼ぶ彼女へ、
一先ずアンネの薬が入った袋だけは手渡し、
中身の説明だけをしただろう。後の処遇は如何様にも任せ。]
間に合って、よかった。
[小さく小さく呟いて、その場はセラへ譲る。
アンネの周りは人熱れでやや熱くなり始めていた。
これではアンネの体にも障りかねないと、わたしは
適当にドロシーを探してくるとでも言いおいて、外へ。
その際、彼女と一緒だったヘクターは
どうしたのかと頭の隅を薄らと、過るけれど。
近くにドロシーの姿を発見すれば掴み上げて抱き、
医務室の前でぺたりと座り込んで、探しには行かなかった。**]
研究者 ヘクター
[すぐに行く——嘘をつくつもりはなかった。
ここで倒れたら立ち直ったセラに申し訳が立たない。
しかしヘクターはこれから、結果的に嘘をついたことになるらしい。
まあいいか、なんて思ってしまった。
今さらニケの気持ちがようやく少し理解できたような、それが悔しいような。
体の内側から熱い何かがこみ上げて来て、身をくの字に負って吐き出した。
予想通りの喀血だった。]
研究者 ヘクター
[心の中の言葉は正直で良いと、周囲の人間は言ってくれている。
しかし正直が善とは限らない。
だいたいろくに会話もせずに、観察して思ったことを好きなだけ言いたい放題にして、そのくせ相手の内面に踏み込むのがおそろしくて逃げているのだ。
ロクな能力じゃ——ロクな人間ではない。]
大馬鹿者は、俺だな……。
植物学者 オルテンシア
[ こんな時でも。
余裕なんてないだろうにセラの事を心配し、セラが休んでいる事に安堵する>>153
そんな、アンネらしさが失われていない。
そのことに心の底から安堵する自分がいて。
マリーベルが薬をセラに渡すと申し出れば>>154
「ありがとう」と手を握る様子を、ただただ見守る。
言葉を発することはできない。
口を開いても、きっとそれは言葉にはならない。
心優しいアンネ。
彼女に少しでも不安を与えたくなくて。*]
植物学者 オルテンシア
[ 氷嚢を交換しながら、お茶会の話に耳を傾ける。
体力の消耗を考えれば、話さないほうがいい。と、止めるべきなのだろう。
けれども、このひと時。
『時』という単位よりも、彼女との思い出を望んむなら。]
―――アンネ……。
前に、ニケに頼まれて唄った時。
草が…すごく増えちゃったでしょう。
あの時にね、一緒に抜いた草は。
お茶に……できるの。
また―――一緒に。
[ 躊躇いながらも思い出を紡ぐ。
ほんの二週間前の除草作業。怒るハールーン時に悪びれない雰囲気のニケ。そして、アンネと自分。]
植物学者 オルテンシア
[ 夢のようでけれども確かにあった風景。
日常を積み重ね、いつかそれが思い出になると思っていた。
春風のようなメリッサの笑顔も。
陽だまりのようなニケの笑い声も。
木漏れ日のようなセトの暖かさも。
けれども、頭に入ってくるモニターの数値は、確実に彼女との残り時間を突きつける。
上げようとしても下がってしまう口角。
涙でふやけていく視界。
それでも瞬きすらわすれて、視線まっすぐにアンネへと。**]
薬学研究者 アンネ
ー 少し前 ー
［オルテンシアさんから視線を感じて>>200顔を向ければ目があっただろうか。
見守る様に、見つめるその瞳は暖かくて、母を彷彿させた。
気丈として美しい、密かに憧れを抱いていた女性らしい。でもどこか抜けている。そんな姿が母に似ていたのだ。
目が合えば、そっと微笑んだ。
大好きな仲間に囲まれて、元気な時にかんじていた幸せ時間が、ここにあった。］
［ニケさんの名を聞けば>>201女の表情は少しだけ陰りを見せた。
私を大嫌いと言った言葉が、頭で何度も繰り返される。
もう、真意も闇の中で、女のこころにのこったのは、寂しさだけだった。
それでも、「抜いた草はお茶にできる」と知れば。
想像の中でニケさんも笑っていて、］
……それ、……飲みたいです……。のみ、ましょう……。
［と、他愛のない会話を、その真っ直ぐな視線を>>202、心に染み込ませた*］
薬学研究者 アンネ
［あの頃と変わらない。
いや、あの頃より光を増した瞳は、痛いほど優しい色をしていただろうか。］
…話したいことが……たくさん……あって…、
でも、……何から……はなせば……
［走馬燈の様に、ここでの生活が蘇って、胸が高鳴って。
気持ちが、女の瞳から幾つも、いくつも溢れた。］
……約束……思い出し……ました……。
…私……忘れちゃっ……てた、けど……、
でも、……側に……、セラちゃんは……側に居てくれ……ました……。
［幾つも流れ出る雫は、辛うじてのこされた視界さえ滲ませる。
でも、側に彼女を感じられる。大好きな友達が側にいる*］
薬学研究者 アンネ
ー 明けない夜がやって来て ー
[意識が途切れ瞬間だったのか。また、記憶の欠片が降ってきて。
セラちゃんが叫んだんだ。―――"今度"を。
「こんど会ったら
いっしょに うたをうたおうね！」
確かに、小さな彼女はそう言った。
次があるんだと。思わせてくれた。
小さな私は泣きながら、大きく頷いた。
どんな"うた"だろう。
どんな"うたごえ"だろう。
いっしょに、うたったら、どんなに"すてき"だろうって。]
薬学研究者 アンネ
[ありがとう。ありがとう。私の大好きなお友達。]
…セ、…ラ…ちゃん……、こんど…あった…ら、……いっしょに…うたおうね………。
[意識が途切れる瞬間。
セラちゃんにまた会えるのを待ってます。
少しだけ、お別れしちゃうけど、私たちは"約束"したから。
私たちは、ずっーと、ともだち。
また会いましょう**
]
研究者 ヘクター
[あふれだすイメージは、言葉になりきれない思念のかたまり。
誰にも届いていないかもしれないが、あふれてしまうのだから仕方ない。
頭のそばで、がんがんがんと鐘を鳴らすのはやめてくれ。
そんなに鳴らさなくても、聞こえている。
すぐ立ち上がる、すぐ行くよ。
ただ少し、ちょっと、二度寝するだけだ、それくらいは許してほしい。]
植物学者 オルテンシア
[ セラとアンネ。
2人の間に何があったのかはわからない。
今迄に、どのような時間を紡いだのか。
どのような絆で結ばれていたのか。
けれども、アンネに向けるセラの眼差しからは>>192
2人の絆の強さが感じられて。]
(よかった……ね。)
[ 静かに目を伏せ、ただ『今』を過ごす*]
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