76 【完全RP】輪廻の果てに
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植物学者 オルテンシア
[ 歩き続けよう。
あの基地で眠る、10人の時間を背に負って。
いつか同じ場所へ辿り着けるまで。
繋いだままの晴人の手、一度だけ強く握って月に笑いかけた**]
医学博士 セラ
─ Ｓｉｄｅ弟 ─
[あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ！
「おれは 女子高生の集団に 恐怖死しかけた
粉ふき芋を口に詰め込まれて窒息するかと思った」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…
とにかくおれは逃げて逃げて逃げまくった。
途中から追いかけて来る人が増えてめっちゃくちゃ焦った。
ようやく今はひとりの帰り道。
林藤史郎は遠い目をしていた。
おれ、なんで高校まで来たんだっけ…。
とぼとぼと歩いていると、向こうから]
お？ メアリーだ。
医学博士 セラ
[薄闇の月明かりの中、抱き上げたくなるような小さな人影。
銀色の光がハニーブロンドの髪に降りそそぎ、きらきらと輝いて見えた>>460
林藤史郎は、夢の傍観者。
何ひとつ干渉することはできない。
けれど見えてくる夢の中で、メアリーという存在は林藤史郎のほのかな憧れだった。
幼げな容姿にも関わらず、哀しみを受け止めて、大切な感情を飲み込んで>>5:104、現実を踏みしめて、毅然として生きていようとした彼女。
もしも夢の中の誰かになれたなら。
翡翠色の瞳の男になって、彼女の腕の中の人形みたいに彼女を大事に大事に包みこみたい。
なんて思ったこともあった。]
医学博士 セラ
[けどそこにいるのはメアリーでも人形でもない、『真里』
ここにいるのは、『おれ』。
にやっと口の両端が上がれば柔らかな三日月の形。
ここで会ったのも何かの縁か。
神様のプレゼントか。]
せんぱーい！家まで送りますよー！
[ぎょっとされるのは想定内。
何者だって怪しまれたらなんて答えよう。
うーん。
姉ちゃん達の友達だから、おれも友達ってことでいいか！
林藤史郎は楽天的だ。
そうじゃなきゃやってられないこと、たくさんある。
それでも地球は回ってる。
――とりあえず、お話してみませんか？
先輩*]
研究者 ヘクター
[警報のように頭の中で音が鳴り響き、発汗、喀血、視力低下などの症状に次々と襲われ、ヘクターはうつらうつらと奈落の底に沈みそうになりながらも、ぎりぎりのところでつま先立ちをしていた。
もういつ気を失って、それがそのまま永遠の眠りになってもおかしくない。
だけど、セラに告げた言葉を嘘にしたくない一心で、なんとか現世にしがみついていた。]
研究者 ヘクター
[変な、夢のような。
窓から月の淡いさまをまじまじと見て、チープな機械を操作しているような夢。
なんとなくアンネに似ている女の子と一緒に暮らしてさえいる。
あれは地球の施設の夢かと思うけど、ヘクターたちの観察している地球の文明はもう少し劣っているからあんな光景の記録なんかどこにもない。]
研究者 ヘクター
[夢の中には、友だちになりたいやつがたくさんいた。いや、夢の中の「俺」的には、とっくにそいつらは友だちだった。
残念ながらヘクターは友だちがいない。人に興味を持たないように生きてきたからだ。]
（それが、いやだったんだ……）
[もし彼らを友だちと思えていたなら、絶望している彼らを元気づけて、せめて最期の時まで楽しくやろうというように振る舞うことが出来ただろうか？]
（いやだったんだよ……）
[絶望を背負って生きていたこの二週間が、ヘクターは心底いやだった。
感染症に立ち向かうために日々を賢明に生きるのは良い。
だが、あまりにも悲観的すぎた。
でも、ヘクターは何もしようとしなかった。何も出来なかった。]
（次は、みんなで、楽しくできるといいな……）
研究者 ヘクター
[輪廻転生の発想ができるのは、メリッサの最期の日誌を見たおかげだろうか。
生まれ変わったら地球の大気になりたいという彼女の願い——願い？
予知能力を持つ彼女の言うことなのだから、生まれ変わりの可能性は、もしかしたら、本当に——]
研究者 ヘクター
[夢に見た自分に語りかける——ちょっと馬鹿っぽいツラだが、まあいいだろうと。
おい、「俺」。友だちを作りまくれ。
きっと、この月基地にいたような性格の奴らなら、俺と友だちになってくれるだろうし。
ハルっぽいやつがいたら、そいつは問答無用で親友にしとけ、ていうかハルに夢の中で呼ばれた気がするが、俺だよ俺俺、ちょっとお前みたいに感情的になりやすくなっちまったのが俺だよ。
おい、「俺」。余計なことは思い出さなくていいから、「生きてて良かった」と言えるような、おだやかな時間を作るんだ。
それと……]
研究者 ヘクター
[「頼りにされてるとは、知らなかったね。
いろいろ、話してみるもんだ……。」
あの時、セラに対して確かにそう思った。
相手がこちらをどう思って、こちらも相手をどう思っているかなんて、じっくり話さなきゃわからない、俺はもっとセラのことが知りたい、どうして世話を焼いちまうのかとか、まあいろいろと、だから]
研究者 ヘクター
[陸太はこのところ、変な夢を見ていたのだ。
月にいるような夢。
だけど何故だろう、その日を境にすっかり見なくなってしまった。
その日というのは、聖良に告白して、告白されて、抱きしめて、彼女のあたたかさと体のきゃしゃな感じを味わってしまった日のことである。
帰り道に会話して、彼女の声がこちらに届くことや、陸太の思いが言葉として届くことがうれしくて、もう少し、といいながら遠回りして帰った日のこと。
齢18、たいして生きていないけれど、それでも辛いことはたくさんあった。
——辛い思い出なんか全部ふっとんだよ。]
薬学研究者 アンネ
[その様子をアンネは遠くから見守っていた。傍らにはニケさんが居る。
ニケさんと繋いだ手を見て、彼の笑顔を見て、微笑んだ。
そして、お茶会での、大切な仲間たちの楽しそうな幸せそうな様子を思い出して]
おめでとうございます……っ。皆さん！
[生まれ変わった私たち。きっと、もっと幸せになる。望めば、望んだだけ。
出会ってくれて、ありがとう。
幸せな時間をありがとう。
皆さんと出会えて、本当に良かった。大大大好きです。
かけがえのない大切な仲間たちへ、祝福を贈った**]
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