135 【クトゥルフTRPG風RP村】深淵を臨む町
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婦警 レーティス
…………。
[カオルコが「好きにしなさい」（>>57）と言うなら――言ってしまうなら――]
…………そう。
[一言だけ言って、目を逸らす。……私にだって、この支配人は「殺す他ない」というのは分かっている。――でも、それでも、と。他の道はなかったのか？ 彼の命を救う道はなかったのか？ ――否、存在しないのか？ と自問自答してしまう]
……っ！
[咄嗟に止めに入ろうと身体が反射しかけるが、それも自分のエゴでしかないと逡巡して――]
くっ――！
[それでいて、ここで止めに入れない自分自身に、吐き気のような嫌悪を抱く。何故、私は一人の人間の死をもってよしとしているのか――？]
大柄な男 ゲン
[こくりと頷き、走り出す。]
[刀を拾い。]
[出かかる言葉を呑み込んで。]
[迷いなく、それを振るい――。]
[――事件は、終わる。]
大柄な男 ゲン
―― 数日後 ――
[帰りの車を運転しながら、ゲンは助手席のカオルコ様の寝覚めに気がついた。
魔術書は焼却され、ノーヴァは死んだ。
否。――この手で、人を殺した。
その事に、ゲンには後悔はない。
その後も、ゲンは車を調達したり怪我人を運び、エイトンファミリーからの追手の逃走と忙しく――。
仲間とはどこかで別れ。――きっと、彼らも無事だろう。
カオルコ様と２人、アジトへと向かう途中にあった。
何だかんだとカオルコ様と必要以上の会話を話すタイミングも無かったように思う。]
……おはようございます、カオルコ様。
今日には、着きますね。
[助手席へと声をかけて、ゲンは言う。
いつも通りの声と調子で。]
大柄な男 ゲン
……カオルコ様。
……。
[言いかけた言葉を、迷いながら。
ゲンは、続ける。]
いつか。
……。
いつか……。
戻ろうと、思っています。
……あなたを、口説く為に。
婦警 レーティス
[吐き気がする。（SANチェック失敗、減少量1(3x1)）私はこんなにも薄情な――残酷な人間だったのだろうか？]
くっ……。
[蹲った。――ゲンを逮捕などしない。これは、私たち全員の連帯責任だ。だって、私たち全員で支配人を傷つけたし、私たち全員で見殺しにした。――殺したのは、私だ。私は永遠に、人殺しとしての罪を背負い込んでいく――]
…………。
[無言で、気絶している雑貨屋の店主に縄を巻いていく。彼は更生の余地ある人間だろう。きちんと法の下で罪に説いて、今回の事件に関する証言も彼から取るとしようか]
……………………。
[――そんな考えで気を逸らしているのは、自分の「殺人」という罪から目を背けるために他ならない。果たして、私に警官などやる資格はあるのだろうか、と――]
婦警 レーティス
あの……。
[店主を蓑巻きにしたところで、顔を上げる。（SAN：54→53）]
さっきの本――魔導書、でしたっけ？
……私も、読んでいいですか？
[……私は何も知らない。私は、この事件について、まだ何も知らない。ならば、まずは「知る」ところから始めないと――。そう、考えたが故の行動だった――]
サイコセラピスト シロタエ
[全てが終わったあと、先輩の元に駆け寄る。]
先輩…。終わりましたよ。
[先輩の髪を、傷に響かない程度にそっと撫でる。
それにしても酷い怪我だと思う。
こうして、生きているだけでも本当に奇跡のようだとさえ、思う。
八百万の神の国で生まれたわたしには
神がどうのという話は正直ぴんとこないけれど、
ただ、こうして先輩がこうして生きていてくれたことと
この街で知り合った皆と一緒に生き残れたことが嬉しい。
“神”と、この街に巣食っていた彼らはあの絵に描かれたものをそう呼んでいた。
あの絵の怪物が、本物の“神”なのかはわたしにはわからないが。
……今となっては、こうして、今わたしたちがここにいることに、
何かしら大きなものの意思が働いていても不思議じゃないとすら思える。
そのくらい、今回の経験は強烈だった。]
サイコセラピスト シロタエ
……どうか、起きてくださいな。
悪い夢はもう終わりました。
今こそ、きちんと目を覚ますときですよ。
あの子……ネリーちゃんも、先輩の帰りを待っています。
[だから帰ろう。
あの街へ、みんなで――*]
探偵 ジンジャー
――――数日後――――
［―――三人で別荘地を、「あの子」の家へと歩いている。
シロタエの献身的介護で快調…とまではいかずともシエル先生もどうやらそれなりに回復したようだ。］
さってと。シエル先生？
ネリーちゃんきっと貴方に会いたくてうずうずしてたから。
もしかしたら拗ねちゃってるかもね？
［くすっと冗談めかして一緒に歩く二人に笑いかける。まぁ、あの優しいネリーのことだからきっとそんなことはないのだろうけど。］
探偵 ジンジャー
［全く、今回はさんざんだった。
よくわからない事件に巻き込まれるわ。
依頼も…依頼人にこの結末を説明するわけにもいかない。私の手で迷宮入りにすることにしよう。
…また一人前から遠ざかってしまうかもしれないけれど。］
まぁでも…。
［三人で、歩きながら今から会う彼女の笑顔を思い浮かべる。
何も、得るものがないように思えた事件だったけれども。
少なくとも、一人の少女を救えたのなら、それでいいかと思ってしまうのであった］*
監察医 ダンテ
……あ。
[ゲンが今し方手当をした支配人を殺すのを見れば、小さく声を上げた。]
殺しちゃったのか。
[少しだけ。恨みと後悔の籠もった声。
どんな人間でも、生きれいれば更生の機会はあったかもしれないのに――
俯いてその言葉は飲み込んだ。]
サイコセラピスト シロタエ
― 数日後 ―
[ひさしぶりの晴れた青空を仰ぎ見る。
数日前まで止まなかった雨はまるで嘘のように引いて。
瑠璃色の濃淡を描く青空が、とても美しかった。
あれから、奇跡的にと言ってもいいくらい先輩の症状は改善に向かった。
またまだ本調子とは言えないまでも、よっぽどのことがない限り
投薬で症状を抑えられることができるくらいには。]
ふふ、そうですね。
あんなに可愛らしい女の子をお待たせしてしまうなんて
先輩もほんとに罪な人なんですから。
[ジンジャーの軽口>>69に便乗して、こちらも先輩を軽く揶揄う。
数日前までもう一度手にしたいと願い、途中内心で一度は諦めもした穏やかな“日常”がそこにあった。]
サイコセラピスト シロタエ
[いえ、本当は少し違うかもしれない。
レーティスさんやダンテさん、それからカオルコさんとゲンさんも。
彼らが抱えている事情の多くはわたしには伝わっていないし、
それはまた、目の前の彼女に関しても同じこと。
あの事件で失われたものも、
もしかしたら私が思う以上に沢山あったのかもしれない。
それでも、今はこの“日常”を噛み締めたい。
十年近くを友として過ごしてきた大切な人と、
今回の事件を通して知り合った新しい“友人”たち。]
そろそろ見えてきますね。
[私たちも会うのは数日ぶりだが、元気にしているだろうか？
いや、きっと元気に違いない。
きっと、この街であの悪夢を見ることは、もう二度とないだろう。
別荘地を賑やかに進みながら、わたしたちは道を歩く。
穏やかな“日常”を、噛みしめながら――*]
監察医 ダンテ
[ホテルへ向かいながら。
ポケットの中、曲がったヘアピンに触れる。
こっそりお守り代わりにしていたのは、レーティスには内緒だ。
生きて帰れるのはこれのお陰かも――なんて。]
借りたヘアピン、ピッキングするのに曲げちゃったから弁償する。
あとで一緒に選びに行ってくれるかな。こういうのがどこに売ってるかさえ知らないから。
ほんとはペアピンより渡したいものがあるんだけどさ……っ。
[最後の言葉は酷い早口で、言い切った後俯いた。
少しだけ髪の隙間から見える耳が、赤みを帯びていたかもしれない。]*
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