60 【RP】流れ星を探して
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【墓】 落星研究者 ヘクター
［近寄る蠢く黒い影。
ソレを恐れず静かな心で待てるのは、長時間の作業を終えた疲労感ゆえか、はたまた今飲んでいる珈琲の所為か］
あー、こんだけ珈琲が上手いと、
［黒い影が膨れ上がり、足元に雪崩れ込む］
甘いマフィンが食いてぇな。
［落ちていく感覚、その後直ぐに浮遊感。
まるで底の深い湖に投げ出されたよう。
苦しくは無い。
感じていた悪寒が嘘のようで、静かで、心地良い］
【墓】 落星研究者 ヘクター
（…ロザベラ？）
［守り人の気配を感じた気がした。
それはとても苦しんでいるように感じた。
少しでも楽になって欲しくて、何か出来ないかと手をのばす。
だけど、落ちゆく意識で掴めるものは何も無かった］
【墓】 落星研究者 ヘクター
う、ん…
［浮上する意識。目を開けると、そこは深い森の中］
てっきり、死んだと思ったんだが…。
［研究室にいたと思ったら、気付けば森の中。
あの黒い何かは、場所を移すだけのものだったのか］
あん？
［そこで違和感に気付く。
ここは森の中、つまり外だというのに、まるで大量のランプで照らした室内のようではないか］
これは、一体どういうことだ…！
［思わず駈け出した。
木々の隙間を溢れるあの光は何なのか？
森の終わりを目指して走る］
【墓】 落星研究者 ヘクター
この明るさは何だ！
［前方に、強い明かりが広がっていく。
あの森から帰る時、出迎えてくれる街の星明かりより、もっと強い何か］
…が！
［森を抜けた瞬間遅いっかる、怖ろしいまでの明るさ。
余りの光量に、本気で目が焼かれたかと思った。
それでも、薄めを開けて、懸命にそれを見ようとする］
なんだ、あの燃えるように輝く、力強い星は…！
［それが文献でしか知らぬ、『太陽』であり、『夜が明けた』世界だと言うのを知るのは、もう少し後*］
【墓】 落星研究者 ヘクター
［空から降り注ぐ強い光に、視界を奪われ、
肌を焼かれる］
あの星は、熱を放っているのか？
［地上にいて、なお感じるエネルギーに、体力を奪われているようにさえ錯覚する。
汗だくになりながら、辺りを彷徨い歩くも、力尽きて倒れる］
ああ、駄目だ。今度こそ死ぬ…。
［閉じかけた視界の端に、何かを言いながら駆け寄って来る人影を見るも、落ちかけた意識ではどうすることも出来なかった］
【墓】 落星研究者 ヘクター
―異界・病院―
［再び目が覚めた時には、何故かベッドで寝かされていた。
辺りを見回せば、数台のベッドと、自分と同じように横になっている人が数人。
これは見覚えがあった。
自分が限界の限界を越えて倒れた時、度々運び込まれた救護室と同じ］
あ？救護室？いや、病院か。
いや、それよりも。
［ランプも無いのに明るい室内。
その光源を探すように、窓から身を乗り出す。
それを錯乱して自殺しよとしてる風に見えたのか、病院のスタッフが止めにかかる］
離せ！あの『星』何だ！穴から出てきたのか？！『夜明け』が起こったのか？！何故皆平然としている！
［自分でも驚くぐらい平静を失い、喚き散らせば、白衣に身を包んだ連中も、それ以外の連中も、皆一様に顔に浮かぶのは、『こいつ、もしや？』と言った訝しげな顔］
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