76 【完全RP】輪廻の果てに
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天のお告げ
―― 観測日誌90日目：月基地（モニター室） ――
[違和感を覚えたのは一通の大母星からの通信だった。
「星間ノ戦争激化。大母星カラ仮母星ヘノ移住相次グ。
既ニタナ、ラウノ消滅ヲ確認。観測チームハ、ソノママ任務ヲ遂行サレタシ。]
この火急の報せが送られたのは、
なんと、今から一ヶ月前。
つまり、今、わたしたちの星は――――――
恐る恐る、起動させたセンサーは、生命反応を星系単位で観測するもの。
お願い。
祈るような気持ちで計測ボタンを押せば。
そこに広がるのは、ただ、真っ暗なモニターの画面だった。]
医学博士 セラ
……、失礼します！
[アンネ・オーレンにも聞かれぬように背中を丸めて囁いていたが、いやいやオルテンシア＝スイ＝レーンに言うことでもなかったと言ってから気づいて、慌てて通信を切る。
……我ながら大変どうでも良いことを言ってしまった。
振り返って不思議そうな顔をするアンネ・オーレンに気づけば]
…………えっと。
ハールーン＝ルト＝ワヒド＝ジャス＝ミーンが迎えに来てくれるそうよ。>>145
その前に、患部に冷却シートを貼りましょうか。
[KKで言う湿布に近いが、粘着力が強い上に剥がしやすく、冷却効果が長い。
手当てをして、４日間程はこのシートを毎日付け替えて冷やす事、今日は入浴は控える事を注意する。
そうしている間に、ハールーン＝ルト＝ワヒド＝ジャス＝ミーンは医務室に到着しただろうか。
そして、その頃だろうか。
絶望を知ったメリッサ=デル=ネール=サ=クゥラから>>#1、信じがたい知らせが入ったのは――――……*]
星月夜 シュテン
[彼の手にしている携帯型端末からアラーム音が鳴り>>162、よかった、とほっとした様子で。
そうして用件を告げると、>>163苦笑いする彼にへにゃと眉を下げた。
本当に、どうしてこうも回数が多いのか。
研究室にいた頃は一度だって無かったのだ。きっとこのことを今の両親に知られたら、顔を顰められるに違いない。
重要な書類は無意識でもちゃんとしまっているのだから、他の書類でも当然出来そう、というか出来るはずなのに。]
うー……ありがとう。
いつもごめん、ね？
[支度を始める彼の背中に声をかけて、壁際に凭れかかり終わるのを待つ。
多分。こうしていれば、誰かに話しかけて貰えるから。
あの頃のように、ずっとずっと、1人で。怖くて冷たいだけの視線に晒される日々を、思い出さずにいられるから。
――いい加減、直さなきゃ。
彼が支度を終えたのはどれくらい経った時か。
>>#1モニター室にいるメリッサから、夢にも思わなかったようなことが告げられたのは、彼が丁度出てきた頃だった*]
植物学者 オルテンシア
[ ―――その時だっただろうか。
再び通信機に来た通知。
慌てて手に取れば、聞こえてきたのはメリッサの言葉>>#1]
―――――っつ……。
[ 爪先から冷えて行く感覚と、他の音を全て打ち消す鼓動。
涙すら流せずに、ただただ青ざめる**]
星月夜 シュテン
[――シア星系から、全ての星の反応が消えた>>#1。]
[星間戦争の激化。一月前の時点で、既にタナとラウの消滅。
計測結果――生命反応無し。
通信機から聴こえた情報を即座に頭に刻み込む。反応がゼロということは、恐らく残るシア星系の人間はここにいるメンバーだけになったということか。
センサーの不調はあり得ない。嘘も、悪質すぎて嘯く意味がまるでない。
動揺も、悲壮も、朱を閉じ込めた瞳には何もなかった。
嫌な思い出しかないようなあの星も、大学も、研究者たちも、両親も。
思い入れはなくて、だから、情報を受け入れるしか出来ずに。]
……。
[ああ、でも。それでも。
――本当の故郷、レタ。
あそこで幼馴染と過ごした場所が消えたのだ。
細く、今にも切れそうな糸がぷつりと切れたようで。
唯一縋るように大事にしていたものが、壊れる、のは。]
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