俺、今日のために何度も何度も練習したんだよね。
思った以上の拍手の中、今日はありがとう!とリーダーのボーカルらがステージを降りていく去り際、俺はピックをひょいと投げ、そいつはめでたくライラの胸の前に落ちて行った。
* * *
「お、ライラも実行委員なんだ?よろしくな!」
軽音部男子と手芸部女子の学年違いなんて早々接点があるわけじゃない。
校内で会えば軽く挨拶するくらいの時が過ぎ、なんでお前ライラ先輩にはタメ語なのという同級生の言葉には「ちょっとねー」と意味ありげな笑みで返した1年間。
────そして俺達は再会する。
八十神祭実行委員第1回の委員会で。*