>>818
[耳に顔を近づけるとき、頬に唇を寄せた時のことを思い出して胸が締め付けられた。
なにやってんだバカ、なにやってんだバカと自分を責める声がした。
絞りだした言葉は、ありふれたものだった]
俺は、、
[どうしてもそれを言ってはいけない気がして飲み込んだけれど、それはずっと自分の喉を傷つけていた。
けれど、その引っかかりも、責める言葉も、なぜか自分のかすれた囁き声とともに溶けていく]
(なんか…こんなものか?)
[顔を離し、相手を見る。彼女の表情はあの時自分が錯覚したような、優しさが見えた。
けれど、自分のこころは泡立っていない。落ち着いていた。]
おわり…
[千葉はおおげさな自分があほらしくなり、緩く笑った。**]