【14】【パン屋さん】#祭
小腹のすいた君は美味しそうな匂いに惹かれて屋台へとやってきた。
寡黙そうな女性がパンを焼き、自由そうな店員さんが接客してくれるようだ。
漂ってくる匂いに辛抱たまらず、君は店員さんに注文する。
そうだな、チーズ蒸しパンを一つお願いしよう。
……しばらく待ったが、パンが出てくる気配がない。
注文が届いていないのかな?と君はもう一度店員さんにチーズ蒸しパンをお願いする。
何となしに見ていると、パン屋さんが焼き上げたチーズ蒸しパンを、
店員さんが受け取ってそのままむしゃむしゃ食べていた。
ええ?と思うも、
あんまりに幸せそうに食べているから、つられて笑顔になってしまった。
きっと大好きで、大切なんだろうな。
(#38) 2020/07/29(Wed) 22:05:52