月下学園怪奇譚 ~第6章~
シナリオ制作:色猫卓
月下学園怪奇譚の続編です。
1~5章をプレイした方向けの継続シナリオとなります。
■6章について
この3章キャンペーンのメインとなる章ですが、動画のようにニャルラトホテプまで出すかはKPの采配にお任せします。
PLの好みとセッションの方向性を考えて決めてください。
悪心影だけでも、盛り上がりとしては十分に有るかと思います。
参加者達がより楽しめる方向に、舵を切っていただければ何よりです。
盛り上がりを求めるPLには、ニャルラトホテプの権限は喜ばれることでしょう。
逆にPCの生存を求めるタイプであれば、ロスト率の高い展開よりも悪心影のみにとどめておくのが無難かと思います。
なお、悪心影のみでもロストする可能性は十分にあります。
データを見ていただければわかりますが、基本戦って対処する相手ではありません。
■導入1
もし但野先生と面識があれば、名取治の病室で礼を言われたとしてその時に但野先生を登場させる。
名取のことを聞く一方で、ちらりと不倫相手の教師のことを匂わせる。
学校を辞めて大分荒れていると示唆。
今はどうしているのか、と存在を匂わせておきましょう。
■導入2「地主の訪問」
教師の元を地主が訪ねてくる。
現状を報告し、これから現場を見に行ってくると話す。
この段階では特に新しい情報が無くても構いません。
地主は自分で調べて図書館で借りた古い書物(大黒天の勧請・祈祷について書かれた本)を小脇に抱えています。
(この本自体は後で発見するので、今は描写せずとも大丈夫)
地主曰く「あの地下の調査もしている。川の方まで続いていて、かなり広そうだ。埋め立てるにしても供養はしなければならず、工事の再開にはまだもう少しかかる」とのこと。
この「川の方まで続いている」というのも、一つのヒントになっています。
(異界では更地になっているため)
■導入3「遺体の発見」
翌日探索者達が学校に向かうと、川の周辺にテープが貼られ、警察官が詰めています。
生徒達はそのまま学校に向かうよう指示されます。
学校には警察から、川で遺体が見つかったと報告が入ります。
警察官いわく、被害者は上流にある工事現場の地主。
刃物で切られ、さらに死後首を切り落とされている。
死後数日経った状態で発見されたという。
前日に被害者と会っている探索者は1/1d4+1のSANチェック。
直接会っていない探索者も、地主と面識があれば0/1d4のSANチェック。
川の中から胴体と財布などの遺留品は発見されたが、頭部はいまだ見つかっていない。
学校側に注意を呼びかけて警察官は帰っていく。
■導入4「神隠しのうわさ」
東美和から生徒探索者達に声がかかる。
ねぇ、知ってる? 最近この近くで神隠しが起きてるんだって。
うちのお隣さん、雑貨屋さんのお手伝いをしているんだけどさ。
昨日店に行っても、店長が来てなかったって。
それだけじゃなくて、近所でも散歩に出たおじいちゃんの行方がわからないとかって話をしていたし。
東は身近な人間が関わっているとあって、調べに行く気満々。
探索者達にも協力して欲しいと声をかけてきます。
お隣さんが店長の家に様子を見に行くのに同行すると言ってくる。
探索者が同行しないようならば、調査イベント1は飛ばしてください。
■調査イベント1「店長の家」
やってきた店長の家は、一人暮らし用のアパート。英原の隣。
鍵はかかっていて、裏側にまわってもカーテンがかかっていて中の様子は見えない。
<幸運>に成功すると、隣人の英原が帰ってくる。
(動画では誰か一人に判定させていますが、振らせる人数が減れば情報取り漏らしの可能性も増えますのでお好みでどうぞ)
英原の話は以下。
おかしいな。その、店が開いてなかったっていう日……
確かに、出かけるところを見たんですが……。
丁度部屋の前で会って、挨拶をしたんです。
まだ店に行くには少し時間が早いから、散歩がてら少しのんびり歩いて行こうと思うって言ってて、川の方に向かって行きました。
店長が川に向かったのは、地主の遺体が発見されたその当日。
それ以降、店長の行方はわからないまま。
ここまでで、地主は「工事現場を見に行く」と言っていて、店長は「川方面に散歩にいった」と証言ががあります。
神隠しは川の周辺で発生している。(工事現場も川の近く)
もし出し忘れた情報があれば、ここで改めて開示しておきましょう。
■調査イベント2「捜索」
もし行方不明者達をこの時点で捜索しても、行方は掴めません。
唯一<幸運>と対人技能の組み合わせロールに成功したなら、東が言っていた「散歩に出た近所のおじいちゃん」の散歩定番コースが川沿いだったことがわかるくらいです。
探索者達が川を調べても、その時はお祭りの練習をしておらず、笛の音がしなかったとしましょう。
■中間イベント1「音田の行方」
翌日、探索者達の教室に榊がやってくる。
切羽詰まっている様子で、授業が終わるのを待ってすぐ声をかけてきた。
皆、歌穂を……歌穂のことを知らないか。
歌穂が昨日買い物に出かけたっきり、帰ってこないんだ。
夕方前には買い物に出かけたのですが……
ただ……。
神主さんからあの団地の話を聞いて、歌穂も気にしていたようなので……
ひょっとしたら、あの場所を見に行ったのかもしれません。
榊自身も探しているが、探索者達にも歌穂の行きそうな場所に心当たりがあれば教えて欲しい、探して欲しいと言ってきます。
榊自身はそのまままた歌穂を探しに学校を後にします。
同行させたい場合は同行させても構いませんが、その場合終盤のNPCが増えて管理が面倒になる可能性があります。
また、榊にこれまでのこと(主に大暗黒天について)を詳しく説明するならば、榊はシャンに憑依されていた時期があり、アザトースについての知識があります。
大暗黒天はアザトースの一つの顔であることなど、榊の口から教えても構いません。
ただシナリオの展開的に、今回の大暗黒天は神話生物としてよりも、神仏としての側面が強くなっています。
榊からの説明もそのようにしてもらうと良いかと思います。
またアザトースの配下にはトルネンブラ以外にも無貌の神と呼ばれる存在がいることなどを匂わせても良いかもしれません。
■中間イベント2「名取の申し出」
榊が帰った後、名取が声をかけてきます。
彼女は榊が教室に来たことが気になり、こっそり話を聞いていました。
音田歌穂を探しに行くのなら、自分にも協力させて欲しいと探索者達に言ってきます。
名取は母親と教師の噂に苛立ち、音田のことを一方的に嫌って悪く言っていました。
そのことを彼女自身が気にしています。
音田歌穂が窮地に陥っているならば、自分も何か手伝いたいと訴えてきます。
名取を連れていくことで、史岡が登場した時に名取と史岡の繋がりが判明します。
ただ、当然危険を伴います。
最終的な判断は探索者達に委ねましょう。
連れて行かなかった場合、彼女は単身で音田を探そうとするでしょう。
そうした場合に彼女がどのような末路を辿るかは、KPにお任せします。
案外、異界で探索者達と出会うかもしれません。
(これが一番スムーズに行く気がします)
■中間イベント3「異界」
音田の捜索。
川を探すにせよ工事現場に向かうにせよ、川沿いを上流に向かうことになる。
川沿いは霧が濃く漂っていた。
捜査員達はもう引き上げていて、人はいない。
ただ、どこかで祭りの練習をしているらしく、横笛の音が聞こえてくる。
空の色は、だんだんと緋色になってくる。
緋色の空、白い靄、響く音楽という幻想的な景色。
名取を連れてきていたなら、ぽつりとこんなことを呟きます。
嫌な……感じ、だね……。
先生が言ってたことを思い出す……。
確か……「異界往還」って……。
浦島太郎ってあるじゃない。
あれみたいに、何かの切欠で異世界に連れて行かれる話。
私もあんまり良く覚えてなないんだけど、なんとなくこの光景を見てたら思い出して。
多分図書館とかにある本に、詳しいことが書いてあると思うのだけど……。
「異界往還」というワードを出し、後の探索に誘導するための情報です。
「先生」については、聞かれてもあまり答えたがりません。
彼女に異界往還について教えてくれた先生というのは、当然史岡のことです。
探索者達が聞きだそうとするなら、先生についても情報を出して構いません。
良い思い出が無いから言いたくない、前は良い先生だと思っていた、頼りにしていたのに……等、以前は懐いていたことを匂わせましょう。
■中間イベント4「怪異との遭遇」
周囲の景色はすっかり異様なものに変わり果てた。
異界に迷い込んでしまった探索者達は0/1d6の正気度ロールが発生します。
以下、描写例。
川沿いから工事現場に向かおうとすると気付く。
いつも通っていた道がない。
それっぽい建物が残っているところもあれば、全然見たことのない景色に見えるところもある。 いつもの街と、見慣れない風景とが混ざり合っているように感じる。
現実と非現実の融合はどこか幻想的にも、不気味にも感じる。
二枚の写真を合成するのに、境界線をCGで適当にぼかしたような印象だ。
明らかに異質な世界に迷い込んだとわかる光景を前にして、0/1d6のSANチェックだ。
川沿いから工事現場に向かう道は、道自体が無くなっている。
更地を進むと、悲鳴が聞こえてくる。
駆けつければ、一人の男性が足軽に襲われていた。
足軽のデータは比叡山炎上のp,138参照。
ただ異界での遭遇ということで、怨霊やゾンビじみた姿になっています。
片手には人間の生首を提げています。
怨念に塗れた亡者めいた姿を目にした探索者達は、1/1d6+1の正気度ロールが発生します。
足軽1体と戦闘。
悲鳴を上げた男性(雑貨屋の店長)は腰を抜かしてへたり込んでいる状態です。
彼を助けて一緒に逃走出来たなら、無理に倒す必要はありません。
(当然、見捨てても構いません。探索者達の選択次第です)
雑貨屋の店主は発狂して硬直した状態です。
暫く経てば落ち着き、話が出来るようになります。
といっても、雑貨屋店長には特に情報はありません。
ただ、彼がへたり込んでいた工事現場跡地(現在は更地の状態)には、一つの封筒が落ちています。
中には大暗黒天の勧請・祈祷法の書かれた本が入っています。
地主と最後に会った教師PCは、彼が学校に来た時にこの本(あるいは封筒)を小脇に抱えていたことを思い出します。
■調査イベント3「異界探索」
異界は好きに探索していただいて構いません。
もし進行に詰まったなら、学校か図書館で調べるように誘導しましょう。
川の上流と比べ、川の下流は今の街に近い状態です。
(上流ほど時間を遡っているという設定)
川の下流にある学校は、景色は歪んではいますが通常通りに探索を行うことは可能です。
進行が停滞している時は、足軽を出して場を動かすことを推奨します。
異界から戻る方法として、
があります。
1はただ来た道を逆に辿るだけでは効果はありません。
異界に迷い込んでしまった時と同様に、音楽が必要となります。
2、3の方法を試す場合は、地主が持っていた本を読み解く必要があります。
また、首無し塚は異界では更地になっています。
首無し塚の地下にある祭壇には、川から地下道を辿って行くことが出来ます。
もし探索者達が忘れているようならば、<アイデア>で導入で地主が言っていたことを思い出させましょう。
3の方法を行う場合、大黒天の像が必要となります。
三面大黒天となるとなかなか見つかりませんが、大黒天像ならば七福神になっていることもあり、学校や商店で<幸運>に成功したら発見出来るとして良いでしょう。
祈祷法は単体で試しても、効果はありません。
首無し塚という「既に勧請がされた場所」で行うか、あるいは自分達で勧請法を執り行う必要があります。
■調査イベント4「異界往還」
名取が言っていた「異界往還」について、図書館で調査を行います。
(動画では大きな学校という設定なので、学校でも可能としています)
<図書館>で判定、成功した場合は以下の情報を得られます。
~前半~
異界往還とは、異界に迷い込んでしまう物語のこと。
この形式自体は、古くから日本だけでなく世界各地の物語に見られる。
日本では浦島太郎が有名だけど、海外ではリップ・ヴァン・ウィンクルという話が有名。
浦島太郎は亀を媒体として、海の底という異世界に迷い込み、そして元の世界に戻った時には時間を越えていた。
古来より異世界に迷い込む話はいくつもあるけど、その中で「川」という場所は特別な意味を持っている。
三途の川がその代表例で、あれはこの世とあの世の境と言われている。
川を上ることで別の世界、すなわち彼岸に迷い込んでしまったという話は古来よりいくつも見られる。
川以外にも、音楽など異界に繋がりやすい条件は複数ある。
~後半~
異界往還物で帰る手段というのは、いくつかパターンがある。
一つは、特定の謎解きのような帰り方。
偶然に迷い込んだならば、なぜ迷い込んだかがわかれば帰るための方法もわかるかもしれない。
同じように川を下ってみるとか、迷い込んだ場所の周辺を探ってみることが、還るための足がかりとなるだろう。
誰かの意図があって招かれた場合、招いた側の意思はその世界で大きく働く。
浦島太郎では、亀が誘い入れて乙姫が彼をもてなした。
そして、元の世界に帰された。
招いた者に話が通じない場合、別の方法を探すか、あるいはそれより力のある者を頼ることが多く見られる。
「川」と「音楽」は川沿いを歩いて帰るためのヒント。
「それより力のある者を頼る」は、大暗黒天のことを示唆しています。
もし探索者達が気付かないようならば、<アイデア>でヒントを与えても構いません。
■調査イベント5「三面大黒天の勧請法」
地主の持ってきた本を読み解くと、三面大黒天の祈祷法と勧請法が詳細にわかります。
勧請法とは、神仏の来臨を願うこと。
神に願いを聞き届けられるよう、環境を整えることを言います。
勧請法について細かく知りたい方は、是非参考文献をご一読ください。
細かいのでここでは割愛します。
勧請法を執り行うためには、大黒天の神像が必要となります。
三面大黒天の像となると、現在は弁財天の神社に安置されています。
が、それ以外にも普通の大黒天の像であれば、学校や商店で<幸運>に成功したなら手に入れられることとします。
場所は本来であれば室内で行いますが、静謐な場であればどこでも構わないとしましょう。
ある程度の広さがあり片付いている場所、会議室などそういった場所を提案したならば、自然と学校にも誘導しやすいと思います。
儀式の内容自体は「ここに書かれている通りに行う」と説明を省き、「準備とあわせて1時間ほど程度かかりそうだ」としてください。
勧請法を執り行っている最中に、鎧武者や足軽、悪心影に憑依された史岡が迫ってきたとしましょう。
祈祷法がどの程度かかるかで、処理を調整することを推奨します。
■調査イベント6「三面大黒天の祈祷法」
祈祷法は神仏に願いを届けるための儀式です。
書物に書かれた内容(真言)をそのまま読み上げる方法を推奨します。
祈祷法についても、文言を詳しく伝えるよりは「何ラウンドかかる」と文面をそのまま読み上げさせるとして省略してしまいましょう。
どこで祈祷を行うかにもよりますが、史岡と悪心影を登場させてクライマックスを迎えられるよう、所要時間を調整してください。
ちなみに、実際にやろうとすると短い真言を唱えるだけのものから、長い心経を唱えたり修法を行ったりと様々です。
気になる方は参考文献にてお調べください。
■調査イベント7「音田歌穂との合流」
図書館か学校で調べ物をした後、<聞き耳>判定を行ってください。
成功したなら、誰かが近づいてくる足音を感じます。
足音の主は音田歌穂。彼女もまた異界に迷い込み、他に人がいないか探していました。
彼女は工事現場を調べようとしたが上手くたどり着けず、それどころか変な世界に迷い込んでしまったと話します。
また、妙な奴に追いかけられたとも言っています。
(史岡と、その指示を受けた足軽達です)
あの人達甲冑みたいなのつけてたし、あの場所も昔は首無し塚と言われてたって話だったし。
この街の歴史に関係があるんじゃないかなって思って、調べに来たの。
帰る方法も探したかったしね。
ということで、音田もまた調べ物を始めます。
探索者達も音田と共に調べるならば、古い文献から以下のことがわかります。
この近辺では昔は小競り合いが多かった。
死体によって穢れが生じてしまった村々は、穢れのない土地を欲しがったのだろう。
だが、この土地を求めて攻めてきた軍勢もある。
彼等はより大きな戦を巻き起こし、この地に大量の屍を築いたという。
古い文献によれば、有名な武将が攻めてきたのだという。
しかし、その武将は同じ頃に死亡されたと言われていた。
おそらくは影武者か、あるいは土地の者による作り話だったのではないか。
あの織田信長が攻めてきた、などと……。
首無し塚の地下には、織田信長の怨霊が封じられると残されている。
本能寺で討ち死にしたはずの織田信長が、どうしてこの地で封じ込められるというのか。
何にせよ、あの場所に何かが封じられていることだけは間違いない。
ここは当然、悪心影のことを指しています。
クトゥルフ神話に詳しい人ならば、織田信長というワードで悪心影の存在、ニャルラトホテプの影を感じ取ることでしょう。
もしPL達が何か感じ取っていたならば、<オカルト>もしくは<クトゥルフ神話技能>を振らせて、成功したならヒントを与えても構いません。
PL視点の知識をPCにも落とし込むことが可能となります。
■クライマックス「悪心影」
川を下って還るならば、その途中に。
首無し塚の祭壇で祈祷法を行うならば、その場所に。
勧請法を行ってから祈祷法を行うならば、勧請法を行っている最中に。
史岡が足軽と鎧武者(比叡山炎上p,138)を連れて現れます。
名取がいるならば、史岡が彼女の母親が噂された教師であることを明かしましょう。
また、音田が一緒ならば音田歌穂の存在を確保しようとします。
彼女には、我が神を呼び覚ますほどの才能がある。
大黒天などという仏教の神。
シヴァ神、マハーカーラというヒンドゥー教の神。
そんな殻は破り捨て、あの御方本来の姿を取り戻していただきたい。
そのためにも……貴方達に邪魔をされるわけにはいかないのですよ。
そうして、史岡が悪心影としての姿を現します。
悪心影に憑依されてしまった史岡の自我は、既に残ってはいません。
今そこにいるのは一時代を恐怖に叩き込んだ武将織田信長その人であり、ニャルラトホテプの化身です。
ここから先は、悪心影に捕まるよりも先に川を下って現世に戻れるか。
祈祷法を唱え終えるかという流れになるでしょう。
悪心影を見たことによる正気度ロールでも、探索者達の運命が大きく左右されるかと思います。
ラウンド数、判定はある程度臨機応変で動くことを推奨します。
■エンディング
誰か一人でも無事に現世に還れたならば、基本はシナリオクリアとなります。
川を下って還った場合は、川沿いで発見されます。
首無し塚で祈祷法を行った場合は、工事現場で。
他の場所で勧請法・祈祷法を行った場合は、その近くで不自然のない場所としましょう。
(たとえば学校で行った場合、地主が学校を訪れていましたので、校内で声をかけられても不思議はありません)
意識のない探索者達に、地主が声をかけてきます。
死んだはずの地主ですが、探索者達は川を遡り異界に迷い込んだことで時間をも遡っています。
探索者達の目の前にいる地主は、最後に学校を訪れた時(もしくはその直後)の状態です。
これから首無し塚の様子を自分の目で見てみるつもりです。
・エンド1
祈祷法を最後まで唱えた場合、悪心影は無事に封じ込められています。
地主がその後首無し塚の様子を見ても、異界に迷い込んで殺される心配はありません。
彼の采配により地上にも新しい社が建てられ、地下の祭壇と地上の社、二つの守りにより今後も悪心影は封じられることでしょう。
恐怖の体験を経た探索者達をねぎらい、1d10のSAN値を回復させてください。
NPCの無事も確定しているので、NPC生存ボーナスも是非ご検討ください。
まとめて1d6か、あるいは一人につき1~1d3くらいが妥当でしょう。
・エンド2
川を下って還ってきた場合、悪心影はいまだ残ったままです。
地主がどうなるかは、探索者達がどう行動するか次第。
何も言わずに工事現場に向かう彼を見送ったなら、もう一度彼は遺体で発見されることでしょう。
彼を制止して先に祈祷法を執り行った場合には、悪心影は封じられます。
それ以外では、社が建てられるまでは犠牲者が出続けることでしょう。
恐怖の体験を経た探索者達をねぎらい、1d10のSAN値を回復させてください。
・エンド3
無事に戻ってこれなかった場合、探索者達は異界を彷徨うことになります。
また、全員死亡した場合も、異界の地で果ててしまったことになり、地主のように川で遺体となって発見されることでしょう。
※補足
どのエンディングでも、1人でも無事に生きて現世に戻れたならば、残る探索者達も共に目覚めることが出来ます。
もし異界の地で死亡したとしても、時間を遡った影響で地主のように目覚めていることでしょう。
ただし、探索者達は色々なことを知りすぎました。
自分が死んだことを記憶していたなら、肉体はともかく、心はどうでしょう。
死の恐怖を体感し、死の瞬間を記憶していたとしたら、果たして探索者は元の生活に戻れるのか。
強めのSAN値喪失が生じ得るケースだと思います。
全ては、KPの意のままに。
■おまけ
動画の最終話で言った、シナリオを作る切っ掛けとなった朱鷺田祐介様のブログ記事はこちらです。改めて紹介させていただきます。
また、ストーリーはトワイライトシンドロームシリーズ(探索編+究明編)を元にしています。
実際ゲームをやっていただくと「この部分か」とわかると思いますので、興味のある方は是非そちらもプレイしてみてください。
今回はかなり特殊なシナリオにつき、人を選ぶかと思います。
対処法もクトゥルフ神話的なものではなく、大黒天の祈祷法を用いています。
ルールに厳格な方よりも、ロールプレイや物語を楽しむ方に回していただくことを推奨します。
終盤の広い舞台もあわせ、セッションを回す難易度はかなり高いと思います。
ただ、このシナリオを回すKPは既に月下学園怪奇譚の1~3章を回し終えているはずです。
あのシナリオを無事に終えられたKPを信頼しておりますので、よりやりやすいよう、自由に舞台を設定していただければと思います。
参考文献
三面大黒天信仰 新装版
著:三浦あかね様、発行:雄山閣様